①生切り

かつ鰹の頭を切り落とし、内蔵を取り除いた後水洗いし煮熟工程と前後する場合もありますが、3kg以下の鰹は三枚おろしにして2枚の亀節に加工し、それ以上の大型の鰹は更に血合いの部分をあい立ちして背中の雄節と腹の雌節に切り分けて4本の本節に加工していきます。

②籠立て(かごたて)

生切りした鰹を大きさや形を揃えて煮かごせいろに亀節は皮付き面を、本節は背身と腹身に分けた切断面を下にして丁寧に並べます。ここで節の形が決まるため、煮崩れしない様に丁寧に並べます。

③煮熟

摂氏75~80度の煮釜に、煮籠10枚ほどを重ねて入れます。そのまま97~98度に温度を上げ、原料魚の大きさや脂の持ち具合で亀節で40~60分間、本節で60~90分間煮熟します。

④骨抜き

風通しの良いところで冷やして肉を引き締めます。その後、ピンセットの一回り大きな道具を使い1本1本骨抜きをし、乾燥の良い鰹節に仕上げるために背皮を頭部から全体の1/2~1/3、はぎとり皮下脂肪をこすり取ります。

⑤焙乾:修膳

骨抜きした節はせいろに並べ、蔵に入れて下から樫:楢:桜:クヌギなどの広葉樹に火を入れその熱と煙で焙乾し水分を抜いていきます。 骨抜きなどで損傷した部分に煮熟肉と生肉2:1の割合でよくすりつぶし、裏ごしにかけた「そくひ」をぬり込み形を整えながら火を入れては休ませ火を入れては休ませの焙乾工程を幾度も繰り返し香りのよい鰹節に仕上げていきます。

⑥削り:カビ付け

焙乾が終わって出来上がった荒節をグラインダーを使って形を整え、カビがつきやすいように表面のタール分やにじみ出た脂肪分を削り落とします。そのあとカビ菌を含んだ水溶液を霧状にかけて、糀室に入れカビを成長させます。
カビつけを行うことで水分を抜き、皮下脂肪を減少させ、まろやかなだしの引ける節へと変化していきます。

⑦日乾

節に付いたカビが十分成長すると日乾してカビを払い落とし、もう一度カビ菌を噴霧して麹室でカビを成長させ、また払い落して日乾してという作業を節の大きさや脂の持ち具合で4~6回繰り返しより水分を抜き脂分を飛ばして行きます。

⑧出来上がり

生切り作業からカビつけまで5カ月以上を経て、はじめておいしい鰹節(枯節) となります。 表面が淡い緑灰色をし、たたき合わせると拍子木を打ち鳴らした堅い余韻のする品物に仕上げて行きます。

⑨入札会

出来上がった鰹節は、枕崎、山川、焼津等の水産加工組合主催の入札会などを通して、鰹節問屋や削り節メーカーなどの手に渡っていきます。

熟成保存

削り節原料を低温・低湿で保管することにより、燻製やカビ付けにより減少させた水分量 をさらに優しくゆっくりと減らします。また魚のもつ脂分もマイルドなものへと少しずつ変化させ、香り高く優しい旨みを持ち澄んだだしの引ける節へと熟成されていきます。徳島屋では熟成保管した節を、(産地)(生産時期)などの特徴を生かし数多く組み合わせて削る事により、年間を通じて安定した商品をお届けできるよう努力しています。

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