①成長 天然の昆布は2年かかって1人前になります。秋から初冬にかけ昆布の表面にある(子のう班)と呼ばれる袋の中で生まれた(遊走子)が雌雄に分かれメスは岩に付着して卵を持ちます。それにオスの精子が受精し(芽胞体)となり春になると成長して初夏には急激に伸び長さは、、大人の昆布並みに成長し1部はその夏に採取され(水こんぶ)として出荷されます。秋になるとやがて根の部分だけを残して葉が枯れてしまい冬を根だけで過ごした後、春から夏にかけて1人前の大人の昆布として長さも厚みも十分なものへと成長します。 ②採取 地区や浜によって多少の誤差はありますが、7月の中頃から9月末にかけ、本格的な漁が始まります。晴天の日に1人か2人乗りの小さな船に乗り浜ごとに決められた細かな約束ごとの中、(かぎ)(まっか)と呼ばれる道具を使い1枚ずつ丁寧に採取します。 ③乾燥 浜に上げられた昆布は汚れや付着した虫などは海水で洗浄した後、石の敷き詰められた(干場)で干されます。浜によってはボイラー室での乾燥を組み込みより十分に乾燥させます。 ④裁断:巻込 十分に乾燥させた昆布の不揃いの部分や赤葉の部分を切り落とし、形を整えます。本場折浜の真折昆布に関しては、夜露にさらしある程度の柔軟性をもたせた上で、一枚一枚丁寧に円筒状に丸め、さらに熟成保存してから次の工程へと進みます。 ⑤選葉 形を整えられた昆布は水産検査協会の細かな規格によって仕分けされます。 ⑥仕立:結束 各浜には昔より習慣や規格がありそれに合わせて仕立と結束が行われます。 例:真折昆布(中間) 55cmに折りたたまれ10kgで結束 日高昆布 105cmに長さを揃え20kgで結束 羅臼昆布 根の位置を揃え85cmで頭をたたみ15kgで結束 ⑦集荷:検査:出荷 結束された昆布は各漁連に集められ、抜き取り検査の後、浜や昆布の種類により入札や値きめ委員による漁連との交渉のもと、全国に荷割出荷されます。 熟成・保存 だし昆布は地上で生活する他の植物に比べれば進化の遅い下等な生き物です。一般に根と呼ばれている部分も栄養を吸収する入り口ではなく岩にしがみ付く手に過ぎません。栄養分は、選択透過性と言う特性をもった細胞で形成される体の表面 から取り入れています。海のなかで生活している時はその弁を利用し必要なものだけを取り入れ、つくり出されたグルタミン酸などのアミノ酸は決して出さないのです(じゃないと海の水が美味しすぎる)。刈り取られ、日に干される事によりその選択透過性をもつ細胞が壊れ、だしが出るようになるのです。産地や収穫時期により熟成スピードに違いはありますが、乾燥を保ち熟成保管する事により、確実に旨みが出やすい状態に特性が変わっていきます。徳島屋では100%の旨みを引き出せる状態に熟成させ、お届けできる努力をしています。